チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

1月に読んだ本

黒船 吉村昭
人斬り以蔵 司馬遼太郎
北朝鮮脱出(上)地獄の政治犯収容所
     (下)氷上の逃走
姜哲煥・安赫
狂犬におびえるな 黄長華
北朝鮮亡命者五十人の証言 朝日新聞アエラ編集部
北朝鮮血と嘘と断末魔 朴甲東
金正日の哄笑 南北は本当に和解したのか 関川夏央惠谷治
北朝鮮の正体 地球上最期の時限爆弾 落合信彦
スキー 岡部哲也
実力アップスキーテクニック 藤島幸造

黒船/吉村昭
幕末、主席通詞として黒船のペリーと直接交渉した堀達之助の生涯。全ての価値観がひっくり返る程の大事件の現場の最先端で、必死で自らの役割を果たし、その後日本初の本格的英和辞典を編纂するも、投獄されるなど決して報われることが多くはなかった。そんな人物の一生をこれまた独特の淡々とした筆致で描く。時代は急速度で進み、そのきっかけを演じた人物が行く場所もなくどんどん取り残されていく。空しく切ない物語。
★★★

人斬り以蔵/司馬遼太郎
表題作を含む短編集。この本もいただきました。ありがとう。
幕末土佐藩武市半平太の子飼いで、天誅の名の下に京に血の雨を降らせた岡田以蔵を書いた表題作をはじめ、後の「花神」のもととなったであろう大村益次郎を描いた「鬼謀の人」など、どの話も非常に面白かった。司馬遼太郎の短編はどれも独特の読後感がある。
★★★★