J☆Dee'ZがJewelに改名して初のツアー、~Unveiling~の静岡公演に行ってきた。
自分にとっても突如改名を発表した6月のライブ以来、Jewelのライブとしては初めてということで大きな期待を持って臨んだが、しっかりその期待に応えてくれた。
毎回見るたびに進化を感じるJewelさんだが、特に今回感じたのはハーモニーの強化。
正確な音程はもちろんのことながら、それ以上に三声のバランス面で大きな進化を感じだ。
メインパートに対するハモリパートの声質と音量は、決してメインを邪魔することなく綺麗に溶けていた。
ステージ上のモニターで音の取りにくい下ハモも、声を張ることなくしっかり溶けさせるには、日々の練習で自分の音程感に自信を持っているからこそ出来ること。
おまけにJewelの場合は曲中で目まぐるしくメインとハモリパートが入れ替わり、メインとハモりの音量の変化は自らの声量でその都度瞬時に切り替えてコントロールしている。
しかもそれを激しいダンスをしながら音を探る素振りを一切見せずに笑顔で平然とやってのけるのだから、これはもうタダゴトではない。
この凄さはもっと評価されて然るべきだと強く思う。
メインパートに関しても、特にMOMOKAの歌に顕著に現れているが、時折ウィスパーを交えた「抜いた声」の表現に大きな成長を見せてくれた。
これも自分の声の幅に余裕ができたからこそ出来る技。
静と動、緊張と弛緩、圧力と脱力、このいわば「引き算の美学」というべきコントラストを身につけたことにより、今後更なる表現力の進化が期待できる。
今回は後ろの方だったのでダンスはよく見えなかったが、同じことはダンスに関しても言えると思う。
6月の初披露時は改名のインパクトとイメージの変化に戸惑いを感じた『前へ』は、堂々たるパフォーマンスでもうすっかりJewelのものとなっていた。
そしてソロコーナーでは、それぞれ今後のJewelの新しい可能性を感じることができた。
特にMOMOKAをフィーチャーしたテイラー・スイフト的なアップテンポのガールズポップ系の曲は今後是非聴いてみたいと思った。驚くほどマッチしていた。
12月の東京公演ではこれを生バンドで聴くことが出来る。
それが今から楽しみだ。
J☆Dee'Z時代の若さあふれるエモーショナルでスポーティーなステージから、Jewelとなってスタイリッシュなクールさが加わったイメージの変化は、まだ途上ではあるが徐々に実を結びつつある。
11月リリースの新曲『夢が夢じゃなくなる日まで』はそんな新たなスタイリッシュなJewelのイメージに、かつてのJ☆Dee'Zのエモい要素もふんだんに含んだ象徴的な曲。
Jewelの進化はまだまだとどまるところを知らない。