チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

「Jewel Anniversary LIVE 2010-2020 THIS IS ME」

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12月8日に渋谷O-EASTにて行われた「Jewel Anniversary LIVE 2010-2020 THIS IS ME」に行ってきた。

本来であれば6月に行われるはずだったこのライブ、コロナ禍により約半年の延期を余儀なくされ、12月に行われることになった。
しかし半年経ってもコロナ禍は収まる気配はなく今回も開催が危ぶまれたが、できる限りの対策をとってどうにか開催に漕ぎつけることが出来た関係者の努力には敬意を表したい。

そんなこともあり、個人的には実に1年ぶりのJewelさん。
期待ももちろん大きかったが、長期にわたる自宅待機時間を含め、長い自粛期間を経て彼女たち自身も思うように練習もままならなかったのではないかという不安もあった。
自分も直前まで行くべきか否かの葛藤をしていたわけで、正直言って色々な思いかないまぜになったままでこの日を迎えた。

しかしライブが始まり大人っぽいジャケット姿の彼女たちがステージに登場した瞬間に、そんな不安は全て消し飛んでいった。

約1年ぶりに生で観たJewelの3人は、以前のようなただただ若さにまかせたひたむきながむしゃらさから脱皮して、楽曲を丁寧にこだわり抜いて表現し、魅せる大人のグループに成長を遂げていた。

もっとも目についたのは、歌もダンスも「押し」と「引き」を明確にしたメリハリの部分。
かつてのように終始パワー全開さは影を潜め、抜くところは抜き、押すところは押すことによって、より表現力が増していた。
去年あたりからその傾向は目についたが、今回1年ぶりということもあって更に確固たるものを感じた。
歌のワンフレーズ、細かい音符一つ一つ、ダンスの一振り一振りの指先までに至る隅々まで彼女たちのこの日のライブに賭けた想いが伝わりすぎるほどに伝わってきた。

歌の技術面で言えば、例えば『Jewel』でのMOMOKAさんの「最高の瞬間を」の「を」、「最後の最後まで」の「で」、「君となら行けるどこだって」の「て」の上がる所が、しゃくり一切なしてどれも一発でスパーンと綺麗に当たるのがとても気持ちいい。

その他にも上ずりがちな低音部分もあれだけ動きながら3人ともしっかり丁寧に当てていたし、ハモリはもちろん、ハモリ以上に難しいユニゾンの綺麗さには感心した。全く揺らぎなく美しく溶け合っていた。
音符一つ一つのピッチを徹底的に洗い直していることがよくわかる。
曖昧な部分を徹底的に排し、揺るぎない自信を持つまで何度も練習を繰り返したのがうかがえた。

お馴染みのバンド演奏も毎回本当に素晴らしい。
彼女たちのメジャーデビュー以降の全48曲を披露するという今回の目玉企画を実現するための、キーもテンポもコード進行も異なる色々な曲をまとめあげた佐々木望氏によるマッシュアップアレンジもお見事だった。

そしてライブ終盤にはMOMOKAの口から「6月のライブで1000人入らなかったら解散すると決めていた」という衝撃発言が飛び出し、発声を禁じられている場内は凍りついた。
通常のライブだったら悲鳴が上がって騒然としていたことだろう。
結果的にそれはコロナによって幸運にも(?)立ち消えたわけだが、それほどの決意を持っていたのかと改めて彼女たちの覚悟を思い知ることとなった。

しかし売り上げも動員も、全て本人たちの努力以上にプロデューサーの方針、レコード会社のプロモーション、事務所の力、そして何よりタイアップなどの「運」による複合的な作用の方がずっと大きい。
モチベーションを高めるために高い目標を持つことは大事だが、それが結果的に自縄自縛となり、あたかもペナルティのように自ら自分たちの可能性を摘んでしまうことがあってはならない。
これほどの素晴らしいライブを作り上げた彼女たちに「努力が足りない」などという人は誰もいないだろう。
どうかあまり自分たちを追い込まないでほしい。

そんなこんなで色々あったが、結局今回も「Jewelのライブは常に過去最高」を更新してくれた。
あまりに良いライブだったので、帰宅してからもネット配信のアーカイブを何度も観てしまった。
これほどの完成度の高いライブ、このまま多くの人の目に触れないままにするのは非常にもったいない。
是非とも出し惜しみすることなく、YouTubeでどんどん公開してもらいたい。
解散などという究極の選択肢まで視野に入っているのなら、これくらいは当然できるだろう。
彼女たちの渾身のライブは、必ずや人の心に訴えかけるものを持っている。
実際自分も彼女たちにハマるきっかけはYouTubeでのライブ動画だった。

これから世の中がどう動くのか誰も予測ができない中、Jewelも例外ではなく今後の予定が発表できない状態なのは残念だが、どうか彼女たちの姿が多くの目に触れることを祈っている。


【感動】J☆Dee'Z、涙のラストライブ! “あと一歩” LIVE at duo MUSIC EXCHANGE(2019.06.13)


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最後に。
今回のライブ後半の衣装は過去最高だった!
できることならこの衣装を2年前に見たかった…😅