チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

石原慎太郎死す

石原慎太郎氏が亡くなった。
朝日新聞的思想にどっぷり浸かっていた子供の頃の自分にとって石原慎太郎といえば、青嵐会ハマコーなどと一緒に吠えている極右危険人物というイメージでしかなかった。
しかしその後の彼の政治活動を見、自分も大人になって政治や社会の様々なことを知るにつれ、その認識は全くもって覆された。
しかしそれは自分の認識が変化しただけで、石原慎太郎という政治家は昔から『自主独立』という観点で全くブレることがなかったことにハタと気づいて打ちのめされてからというもの、ずっと最も尊敬する政治家となった。
個人的に最も印象的なシーンは、東日本大震災の直後、大量の瓦礫処理を東京都が受け入れる際に「放射能汚染ガー!」などと日本の地理も知らない愚にもつかないことを言ってグダグダ反対する連中に対して、「黙れ!」の一言で本当に黙らせたこと。あれは痛快だった。
願わくは知性と確固たる信念とカリスマ性を併せ持つこの類稀なる政治家を、一度日本国総理大臣として見てみたかった。
が、戦後政治の流れの中で彼を総理に推す空気は残念ながら醸成されるに至らなかった。
しかし彼が孤軍奮闘して不毛の荒地に蒔き続けた種は、確実に次の世代に受け継がれ、現在の日本に芽吹こうとしていると信じたい。
この本は石原慎太郎氏の自叙伝。あまりの面白さに時間を忘れて読み耽ってしまった。