冬枯れの大学は埃と蔵書のにほひがする。
近所のとある大学にふらりと行って、学生達のある意味無駄なくらいのエネルギーに満ち溢れた構内を散歩するのが好きだ。
並木道を歩くと、学生達が思い思いの場所に腰掛け、思い思いの話題に花を咲かせている。
そこには総じていい笑顔をする留学生も沢山いて、色々な言葉が飛び交う。
ここは何も拒むものがない。
そして彼等は意外なほどひたむきでしっかりしている。普段渋谷やテレビで見かけるような『若者』を見慣れていたので、あまりの彼等の『真面目さ』に拍子抜けすらする。
自分のこのくらいの歳を思い返すと、もうちょっといい加減である種暴発的だったような気もする。
でも彼等を見ているとなんだか安心するんです。
「日本もまだまだ大丈夫だな」って。
それはさておき、もちろん一番の目的は学食にある。
学食といえば僕らの頃は「安かろう不味かろう」が決まり文句だったけど、最近はそうでもないみたい。メニューも豊富でそこらのファミレスにひけを取らない。しかしもちろん安さはそのまま。
でもやっぱり「まずくてこそ」の学食って気もするんだよね。
具の無くなった汁だけのカレーや、衣だらけのメンチカツだろやっぱり!?
贅沢な話ではある。
上にはひたすら高い高い空。
運動部の姿もなく、この夕暮れ間近の広い空と冬の風を有効利用できずに持て余している。
今度は凧を持って行こう。
凧上げするんだ。