ビーチボーイズ50周年企画、続いては『1967 - LIVE Sunshine』
こちらは1967年7月に行われたハワイでのライブと、11月に行われたバッファロー・スプリングフィールドとのツアーのライブレコーディング。
しかしながらハワイ公演はご丁寧に2日分のリハーサル音源まで含まれ、全部でのべ109曲、時間にして実に5時間49分にも及んでいるので、全曲隅々聴いたかどうか定かではないし、改めて聴き直そうとも思わない。
ほとんどセットリストも代わり映えないし、それでもこれがもし演奏が良ければそれぞれ聴き比べもできるのだが、何にせよひどい演奏なので全部聴くのはどれほどのマニアでも苦行としか言いようがない。
特にハワイ公演は、メンバーの演奏も下手だし、歌にも全く覇気がないし、妙に間延びしたアレンジだし、挙句の果てには歌いながら笑いだしたり歌うのをやめてしまったりと全くやる気がなく、お客さんも困惑している様子が見て取れる。
よりによってこれを録音してライブ盤としてリリースしようとしていたというのだからどうかしている。
レコード会社に突っぱねられたのも当然。
後半のツアーではさすがにこれではマズイと思ったのか、ベースとキーボードにサポートメンバーを加えたことで、演奏には締まりが出たが、ライブ自体はやはりまだふざけながらやっていて、聴いていて「真面目にやれ!」と言いたくなってしまう。
この年、ビートルズがSGTペパーズを出し、ジミヘンやクリームなど斬新なロックミュージックがが聴衆を熱狂させている中、ビーチボーイズは駄作アルバムを連発し、おまけにこんなふざけたライブをやっていたのでは、人気が一気に急落してしまったのはむべなるかな。
この後、彼らが一念発起してライブバンドとして再評価されるようになるのはもう少し先の話。
暗黒期はまだまだ続く。