数年前に話題になっていたアニメをようやく観ることができた。
家族が理不尽な存在の怪物に殺された少年が、復讐のために訓練を重ねた末にその怪物たちと対峙するまでに成長する、という基本設定はあの『鬼滅の刃』と全く同じ。
どうやらこれが最近のアニメの基本フォーマットのようだ。
さてそんな自分はその『鬼滅の刃』は全く面白いと思わなかったのだが、この『進撃の巨人』はとても面白かった!
理不尽極まりない怪物にさしたる理由もなくただ食われるだけの存在の人間の無力さと不条理と絶望がこれでもかと描かれ、そこには薄っぺらい「優しさ」などは存在しない。
何より秀逸なのは巨人たちのキャラクターデザインだろう。
そのほとんどは見るからに恐ろしさを強調したものではなく、その辺でクダを巻いてそうなただの酔っ払いのおっさん風だったり、頭の悪そうなクソガキ風だったり、どこかひょうきんで間抜けな奴らにただただ一方的に食われなければならないことで、その理不尽さと不条理と絶望が極めて強く表現されている。
この手のアニメでありがちな主人公の青臭さや直情さにはイライラさせられることも多いが、それも今後の成長を描く一つの手段なのだろう。
その他にも平和ボケした愚かな民衆や保身に走る権力者や宗教など、現代社会に通ずる問題点も多く含まれている。
この後のシーズンも観たくなったが、ちょっと疲れたので別のものを挟んでまた戻ってこようと思う。