チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

投資1年目

一昨年の12月からつみたてNISAで本格的にインデックス投資を始めてからちょうど1年が過ぎた。

自分の定めた投資の基本方針は、毎月一定額を積み立てるのを基本としつつ、株価指数が下落して基準価額が自分の平均取得価額を下回ったら特定口座で随時買い足して、平均取得価額を少しずつ下げていくというもの。

しかしよりによって昨年は米国株価指数は年始から下がり続ける異例の1年となった。

基準価額が下がる度に毎日チビチビと買い足していたら、あっという間に特定口座がNISA口座を大きく上回り、今ではすっかり特定口座の方がメインになってしまった。

特に上図の6月の大幅下落期間(黄丸)に大部分の額を集中して投入することができたので、その後の8月の上昇期間は驚くほどの含み益が出て、投資というものはこんなに簡単に儲かるものなのかとちょっと恐ろしくなった。

その後10月に更なる株価下落(青丸)がやってきたが、この時も同時に急激な円安が進行したおかげで、さしたるダメージは受けずに済んだ。

しかしその後年末に来た株価下落は指数自体は10月ほどの落ち込みではなかったにも関わらず、今度は円高が急激に進んだせいでさすがに耐えきれず、かなりの含み損が出たまま年を越すことになってしまった。

しかしこれは強がりでも何でもなく、長期投資の中ではこうした下落期間が発生することは全くの想定内であり、それが投資初期期間に発生したことで最初に多くを仕込むことができたのはとてもラッキーだったと考える。

あとはいくら一時的に上がろうが下がろうが慌てず騒がず、ひたすら積み立てを続けつつこれが20年後に少しでも増えていることを楽しみにしていよう、、、と思った矢先、年末にビッグニュースが飛び込んできた。

NISA制度改正!

2024年から始まる新しいNISA制度は、これまで20年間に限定されていた非課税投資期間がなんと無期限!となり、年間投資額の上限がこれまでの40万円から一気に360万円へ、生涯投資額がこれまでの800万円から1800万円へという、想像と期待を遥かに上回る大々的な改定となった。

これによって幅広い年齢や所得層の人が投資に参加できるようになるので、本当に優れた素晴らしい制度になる。

特に若い世代には非課税期間が無期限となったことで、投資をする上で最大の利点である「時間」を最大限に活用できるようになり、非常に有利になったことが喜ばしい。
最初は少額から始めて、自分の収入が増えるにつれて身の丈に合った積立額を増やしていくという無理のない柔軟な設計が可能なので、年金の不安が確実視される若い世代の老後に安心を確保できる。

もう残された時間という大きな味方のない中高齢者層においても、年間投資額や生涯投資額が引き上げられたことで短期集中投資が可能になったので、少しでも早く投資額を増やして少ない時間という不利をカバーできるので、本当に幅広い世代にとって優しい制度になった。

ただ今後は生涯投資額1800万円という金額のみを取り上げて「富裕層優遇だ!」などという勘違いの批判で国民の分断を図る向きが出てくることが容易に予想されるので、政府はそれは大きな間違いであることを国民に向けてじっくりとわかりやすく説明する必要がある。

必ずしもみんなが上限額を入れなければならないわけではなく、それぞれが自分のできる範囲の金額でたっぷりと時間をかけて自由度の高い投資をすることができるというのが新しいNISAの最も素晴らしい点だ。

そもそも本当に「富裕層優遇」なのであれば、この改定でこんなに喜んでいる俺も「富裕層」ということになってしまうではないか。
スーパーで半額商品しか買わない俺が? そんなわけない(笑)

幅広い層のためのせっかくの優れた制度がそんな勘違いの批判で骨抜きになってしまうことのないように政府はしっかりやって実現させてもらいたい。

さて、自分にとっての投資1年目は、これまで全く興味のなかった経済や金融、そして世界情勢と株価と為替の相関性など、本当に色々なことを学ぶことができて有意義な1年だった。

何しろついこの間まで自分の老後のことを考える度にどんよりとした絶望感しかなかったのが、NISA制度を知ったことでようやく一筋の光が見えてきたような気にさせてくれたことは自分にとって大きな希望となった。

これからも世界経済を注視していきたいが、毎日株価と口座をチェックするのはそろそろ止めて放置したいところだが、まだまだ気になってしまいそう(苦笑)。