もう1週間が経ってしまったにも関わらず、『進撃の巨人 The Final Season part2』の深い余韻から未だ抜け出すことができない。
支配者によって改竄された歴史と洗脳と差別と衆愚の姿、それぞれの正義と正義の衝突によって決して止むことのない人類同士の争いの中、果てしなく繰り返されエスカレートする憎悪と報復の連鎖、その嵐に翻弄され対立しては傷つき苦悩する人々の不安と絶望をこれでもかと徹底的に描き抜くこの物語が、折りしも現在進行中のウクライナの悲劇をオーバーラップさせて観ていて息が止まりそうになる程苦しかった。
そこには決してカッコいい「正義のヒーロー」などは登場せず、大義のためにはかつての仲間と殺し合わなければならない所まで追い込まれるまでに、誰もが正解のわからないままにもがき苦しむ人々のみ。
かつてこれほど深い絶望に包まれた物語はあっただろうか。
自分は一度観ただけでは難解で理解できない部分が多いので、毎回2回3回と見直した上に、解説サイトなども参考にし、更に原作コミックを全巻買って読むことで、そこに幾層にも重なって埋め込まれた壮大な仕掛けをようやく理解し、その都度感嘆してしまう。
本当に素晴らしい作品だと思う。
こうしてこの世界にどっぷりとハマってきたわけだが、この度のアニメ版『The Final Season』が、更に2023年に『完結編』として続くことが発表された。
また来年もこの続きが観られるのは本当に楽しみでしかないが、問題はすでに完結しているコミックを最後まで読んでしまうべきかどうか。
ここまではアニメでラストを楽しもうと思ったのだが、それが1年後となるとコミックで結末を知りたい衝動が抑えられなくなってしまう。
非常に悩ましい・・・。