チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

今更ながらの後追いで聴くユーミンアルバムレビューーその3ー(1980-1981)

いよいよここからユーミン黄金の80年代に突入する。

70年代最後の前作『悲しいほどお天気』が名盤だっただけに期待したい。

 

9. 時のないホテル('80)松任谷由実

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というわけで黄金の80年代の記念すべき1作目。

名盤『悲しいほどお天気』に続くアルバムで、こちらも巷では名盤との誉れ高いようなので楽しみにしていたのだが…、 んーやや期待はずれ。

このアルバムの最大の特徴は歌詞だろう。
これまでどこか私小説風とも受け取ることが出来るものが多かったが、ここでは完全フィクションのストーリーテラーに徹していて、それぞれが一篇の短編小説のよう。

とはいえこの当時は新しい試みで新鮮だったのかもしれないが、歌詞の内容が必要以上に重くて暗くリアリティに欠け、楽曲とアレンジももう一つ冴えない印象。

新境地を切り開こうという意欲を感じ、とても丁寧に作られていることはわかるが、残念ながら自分には合わなかった。

★8

 

【この1曲】

『水の影』

なので1曲選ぶのも中々難儀だが、そんな中でラストを飾るこの曲はかつての荒井由実時代の安定のユーミン王道の曲調で安心して聴かせてくれる。

 

 

10. SURF & SNOW('80)松任谷由実

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そんな前作の反動なのか、一転して明るく脳天気な、どポップアルバム。

しかしこの脳天気な世界は今聴くと無性に気恥ずかしく、いたたまれなくなる部分もある。

重苦しいものから脳天気なものへ、あまりにも振り幅が大きくて戸惑ってしまう。

うーむ、この後もこんな感じが続くようだと、ユーミン全アルバムを制覇しようという当ブログの壮大な企画も早くも存続の危機か?

★7

 

【この1曲】

恋人がサンタクロース

とはいえやっぱりユーミンの代表曲といえばこの曲だろう。

アレンジは今聴くとダサダサだが、この歌詞は何度聴いても素晴らしい。
聴くたびにキュンキュンして目が潤んでしまう。

楽曲に関しても、サビの「♪つむじ風追い越して〜」の所の II/VIIm7 - III7 という進行はかなり斬新だったのではないだろうか。

 

 

 11. 水の中のASIAへ('81)松任谷由実

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二作続けて両極端に振り切った作品を出したことで、ここは一つリセットの意味もあったのか、アジアをテーマにした企画モノのミニアルバム。

しかしこの試みはかなり成功していて、企画モノとは言えど中々クオリティは高い。

★7

 

【この1曲】

『スラバヤ通りの妹へ』

インドネシアを舞台にした曲で、その後ワールドミュージックブームでインドネシアが注目されるはるか以前に目を付けていたのはさすが。

 純粋にいいメロ、いい曲。

 

 

12. 昨晩お会いしましょう('81)松任谷由実

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そして並々ならぬ気合で満を持してという感じでリリースされたと思われるこのアルバムは、1曲目『タワー・サイド・メモリー』のイントロが鳴り響いた瞬間に「あ、これはいいアルバム!」と確信できる、最初から最後まで捨て曲一切なしの良曲ばかりの名盤!

 サウンド的には、時代的にスティーリー・ダンの影響が強く感じられ(「ガウチョ」の翌年)、「街角のペシミスト」のブラスアレンジや「手のひらの東京タワー」や「グループ」の妖しいコード感も素敵。

個人的にユーミンの真骨頂はタイトなリズムの小洒落たAORサウンドだと思うのだが、まさにこのアルバムはそんなサウンド満載。

ちなみに自分がユーミンをリアルタイムで知ったのは、このアルバム収録の「守ってあげたい」の大ヒットだった。

しかし当時ザ・ベストテンなどの歌番組には毎週ランキングされるものの全く出てこないし、曲も毎週ラジオで聴いていたのだが正直子供心に退屈な曲だと思っていた。
しかし37年経って改めて聴いてみると、しみじみいい曲ではないか。

★10

 

【この1曲】

『グレイス・スリックの肖像』

名曲ぞろいのこのアルバム、『A HAPPY NEW YEAR』と最後まで迷ったがどうしても選びきれない!

「フレール・ジャック(アーユースリーピング)」の引用のイントロからドラマチックな中にも抑制的なアレンジの素晴らしい『グレイス・スリックの肖像』には感情を揺さぶられるし、研ぎ澄まされた静謐な空気感を感じる『A HAPPY NEW YEAR』もどちらも本当に素晴らしい曲。

自分にとってこのアルバムは荒井由実初期作品と並んで生涯の愛聴盤になりそう。

 

 

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ミラーレス一眼

自分が現在使っているカメラは7年前に購入したCANONEOS Kiss X4

はじめてのデジタル一眼だったが、現在に至るまで画質に関しては全く不満がなかった。

買った当初は一眼の世界に入ると、いわゆる「レンズ沼」にハマって色んなレンズに手を出したり、「ステップアップ」欲にかられてさらなる上位機種が欲しくなったりするかも、という危惧があったが、自分の場合はスナップの延長以上の高尚な写真は撮らないので幸いそうはならず、安いレンズを何本か買ったくらいで十分満足していた。

そのかわり7年使ってきてやや不満に感じてきたのは、その大きさと使い勝手。

自分の場合は首にかけたまま自転車に乗ることが多いので、出来れば小さければ小さい方がいい。

その他にも動画撮影の際にAFの追随が効かなかったり、PCに保存する際にいちいちUSBにつなぐ上に最近USB接続が不調になり、わざわざカードを抜き差しするのがかなり煩わしくなってきた。

そうなると今の時代その条件に合致し最適なのがミラーレス一眼。

いろいろ調べてみると、各社それぞれ魅力的で目移りしたが、中でも最も魅力的だったのがCANON EOS Kiss M。

今使っているのと同じCANONでアダプターを使えば手持ちのレンズもそのまま使えるし(ほとんど使うことはないと思うが)、ファインダーも付いてるし、Wi-FiでPCに画像を送信できるし、スマホがリモコン代わりになるし、何より魅力的だったのはバリアングルモニター。これが決め手。

自分の使い方はほとんどズームレンズの出番はないので、15-45mmの標準レンズと22mmの単焦点のダブルレンズセットにした。

この他にもしかすると11-22mmの広角レンズが欲しくなる可能性があるが、おそらくそれで自分の使い方では充分だろう。

もう少し値段が下がったら買おうと思っていたが、タイミングよくCANONのキャッシュバックセールが始まったので、この際欲しい時が買い時、ということで思い切って購入。

そして本日ついに届いた!

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大きさはX4と比べてかなり小さくなったが、意外にもずっしりと重量感はある。

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まだ使ってみないと感覚はわからないが、たぶん自分の使い方ならば上の写真の22mmの単焦点をつけっぱにしてコンデジ感覚でどこにでも持ち歩くことになることが多くなると思う。

これから楽しみだ。

今バッテリー充電中。

明日の写真からはコイツの写真になるのでどうぞよろしく。

今更ながらの後追いで聴くユーミンアルバムレビューーその2ー(1978-1979)

荒井由実から松任谷由実になり、ここからは自分はアルバム単位で聴くのは全て初めてのものばかり。

 

5. 紅雀('78)松任谷由実

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結婚し松任谷由実名義になって最初のアルバム。

しかし全体を通した印象は浮ついたところが全く無く陰鬱でかなり地味。

楽曲はそれぞれ悪くないのだが、トータルのイメージではブラジルやアンデスなど南米の香りがするアレンジが多く、正直ジジムサい。

★7

 

【この1曲】

LAUNDRY-GATEの思い出』

そんな中でもこの曲の印象は飛び抜けている。とてもいい曲。

イントロは笑ってしまうが。

 

 

 6. 流線型'80('78)松任谷由実

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 タイトルは2年後の80年を先取り、と言う意味だろうか。

そんな未来を向いた前向きなタイトル通り、ポップで軽快でワクワクするような良曲が多い。

のちのリゾート要素もこの辺からぼちぼち出てくるのかな。 

★8

 

【この1曲】

『埠頭を渡る風』

 中でもこの曲に尽きる。イントロからエンディングまでどこを切ってもカッコよすぎる。こんなカッコイイ曲が作れたら!!!

何度聴いても心を鷲掴みにしてやまない個人的にユーミンを代表する超名曲。

Aメロのフルートのカウンターメロディが最高!

 

 

7. OLIVE('79)松任谷由実

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 前作でポップ路線に舵を切り、このアルバムでは更にポップ方向に突き進む。

しかし、当時アイドルに曲を提供することが増えてきたこともあってか、歌詞の内容が急に幼くなり、曲調もサウンドもかなり歌謡曲っぽく、今の耳で聴くと正直古臭く感じてしまう。

 ただ彼女の場合、当時は最先端だったのがすぐに他で引用されまくり、一気に陳腐化してしまうということも大いに考えられるので、その辺はしっかりと時系列で追って検証していかないと軽々に判断できないところがある。

★6

 

【この1曲】

『青いエアメイル』

 そんな中でこの曲は普遍的なアレンジでしっかり曲を聴かせてくれる。

 

 

8. 悲しいほどお天気('79)松任谷由実

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そんな前作を反省してか、初期の作品に立ち返ったかのようなこのアルバムは一転してどの曲も名曲揃いの大傑作!

1曲めのイントロから一気に世界に引き込まれ、アルバム通して軽佻浮薄な所のないしっかり練られた誠実なアレンジで、最後の曲まで思わず正座して聴いてしまい、聴き終わった後の余韻もハンパない。

ユーミンは荒井時代が至高で松任谷時代はちょっとな〜」というこれまでの自分の偏見を見事に打ち破ってくれた。

 初期作品に匹敵する、どころか、ここまで聴いた中で個人的には一番好きなアルバムかも知れない。

 これほどの作品はこのあと出てくるだろうか。

聴き進めるのがますます楽しみになってきた。

『ジャコビニ彗星の日』のサビのど頭のメロディに「♪72年10月9日」という歌詞を乗っけたのは凄すぎてひれ伏すしかない。

★10

 

【この1曲】

『丘の上の光』

 このアルバムの代表曲はたぶん『DESTINY』ということになるのだろうが、他の曲もどれもこれも名曲ばかりで目移りして迷ってしまう。
中でも極めつけはこの曲。惚れ惚れするほどいい曲。
それにしても彼女の歌詞はどの曲も情景がまざまざと目に浮かぶ。

 

 

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貴乃花とモリカケ

昨今世間を騒がしている貴乃花といわゆるモリカケ問題。

一見全く無関係に見えるが、メディアの報じ方という点で、ある共通点があることに気づいた。

まず貴乃花に関して。

発端となった日馬富士による貴ノ岩への暴行はもちろんあってはならないことであり、その件に対する貴乃花の言い分は正しい。

しかしそれにまつわる彼の一連の行動には首を傾げざるを得ない。

極端な言い方をすれば、自分の「正義」を信じて手段を選ばず突き進んだ連合赤軍オウム真理教が重なって見えてしまう。

もちろん暴力は許されざることだし、相撲協会の体質にも大いに問題があるが、逆にこじらせてしまっているように見える。

現役時代は立派な横綱だったし、引退後も改革者として期待していただけに、どうしてこうなってしまったのか、とても残念だ。

しかしこの一連の騒動のメディアの報じ方は、当初一貫して「正義の味方貴乃花が悪の組織相撲協会と闘う!」という図式だった。

ようやく最近になって、全く黙殺されていた相撲協会の言い分や、貴乃花本人の人間性などが少しずつ報道されるようになってきて、当初の一方的な「貴乃花正義の味方論」に変化が見られるようになり、さすがに疑問に感じる人も増えてきたように思えるが、まだ当初の報道通りの図式で彼の行動を盲信する人も多いだろう。

 

さて一方のモリカケ問題。

こちらは当初首相夫妻にまつわる疑惑として報じられた。
もちろん現職総理大臣による直接的な口利きが本当にあったとすればそれは大きな問題だが、未だそんな動かぬ証拠は一向に出てこない。
それどころか国会での証言や詳細な取材によって、どちらも事の本質はそこではなくもっと深いものがあるという事実が明らかになった。

まず森友学園問題は、関西特有の土地にまつわる闇と、稀代の詐欺師的人物の恫喝に屈し、勝手に「忖度」した財務省のミスと、そのミスの隠蔽工作

もちろんそんな人物の口車に乗り。安易に名誉校長を引き受けて利用されてしまった首相夫人の軽率さは批判の謗りを免れないが。

そして加計学園問題は、長年に渡る獣医師会の利権と文科省との癒着という構造を、愛媛県が国家戦略特区を利用して突破しようとしたことが事の本質としてあり、首相のお友達優遇などという単純な問題ではない。

どちらの問題もここまで明らかになっているのにも関わらず、一部メディアと野党は完全に倒閣運動に目的化してしまっているが故に、相も変わらず首相の疑惑としての図式のみでしか物を言わず他の問題に目をつぶるから、これだけ時間が経ってもダラダラと不毛な堂々巡りで全く埒があかない。

多くの国民はどれだけほじっても結局何も出てこないモリカケなどにはとっくに興味がなく、政策を論じる場である国会でいつまでも不毛な足の引っ張りを続ける野党に嫌気が差していて、その結果は下る一方の野党の支持率に如実に現れている。

もちろん自民党もそこには気づいており、あえて野党に国会でモリカケをやらせているようなフシさえ見える。

 

一見関係なさそうな貴乃花モリカケ

しかしそのどちらにも共通するのは、最初に「正義の味方貴乃花 vs 悪の組織相撲協会」と「首相の疑惑」という大衆の飛びつきやすい図式を作ってしまったが故に、いかに他の事実が出てこようともそこに硬直化してしまい修正することの出来ない一部メディアの姿であった。

メディアはとかく、善と悪という対立構造の図式を作り出し煽り立てるが、物事はそんなに単純な図式で割り切れるものではない。

どちらか一方に肩入れするのではなく、冷静で公平な報道が求められる。

それは我々受ける側にも言えることで、扇情的な報道にけしかけられて安易に物事を判断するのは慎まなければならない。冷静な情勢判断が求められる。

今更ながらの後追いで聴くユーミンアルバムレビューーその1ー(1973-1976)

9月26日の当ブログ記事、 

で述べた通り、リアルタイム世代であったにもかかわらず、あえてユーミンを聴いてこなかった自分が、この度の全曲配信開始を機に初めてユーミンを最初から順序立ててちゃんと聴いてみようと思った。

それにあたって、折角なので自分の記録用に各アルバムの簡単な印象を綴っていくことにした。

あくまでも独断と偏見に基づくものだが、自分はリアルタイムではほとんど聴いていないので、いわゆる「青春補正」のようなものは一切働かず、現在のフラットな耳で聴くことができるはずで、自分でも楽しみにしている。

さてどこまで続くかな〜?

まずは「ユーミンを聴いてこなかった」とは言ってもさすがにこの4枚は後追いで聴き込んだ、荒井由実名義の初期作品。

 

 1. ひこうき雲('73)荒井由実

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言わずと知れたユーミンの記念すべきデビューアルバム。

デビューアルバムにして日本のポップス史上に燦然と輝く名盤の名をほしいままにしている。

今から実に45年前に突如として彗星の如く現れたこの十代の少女の鮮烈な才能の衝撃は、いかほどのものであったか想像するに余りある。

現在のJ-POPで多用されているコード進行(たとえばVm7-I7-IVや、VIIm7-III7-VIm7や、IV-V/IV-IIIm7-VIm7の流れなど)などの方法論がもう既にここにほとんど揃っている事は驚きでしかない。
★10

【この1曲】

『ベルベット・イースター

表題曲『ひこうき雲』と迷ったが、まだ荒削りの若さを感じる『ひこうき雲』と比べて、こちらはもう既に洗練された大人の音楽。このうら若き少女からこのメロディーが紡ぎ出された衝撃はさぞかし凄かったことだろう。

 

 

  2. MISSLIM('74)荒井由実

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衝撃のデビューアルバムは決して奇跡ではなかったことを証明した2枚目。

前作を更に上回るこれでもかと畳み込まれる名曲の数々は後の世にスタンダードナンバーとして永遠に歌い継がれるまさにこれぞ本物のエヴァーグリーンな曲ばかり。

初期4作の中でどれか1枚無人島へ持っていけると言われたら自分はこれ。

どれもいいんだけど、強いて言うならば『ひこうき雲』は荒削りだし、『COBALT HOUR』はティンパンやシュガーベイブの主張が強くなってくるし、『14番目の月』は洗練されているがエヴァーグリーンの一瞬の煌きが失われつつあるので、この『MISSLIM』が素朴さと洗練度のミックス具合が一番ちょうどいい気がする。

『魔法の鏡』のイントロのアレンジは凄い。
よくこんな発想が出てきたものだ。
これ何か元ネタがあるのかな???
★10

【この1曲】

『瞳を閉じて』

どれも名曲ばかりで最終的に『やさしさに包まれたなら』と迷ったが、やっぱりこれぞ非の打ち所のないパーフェクトな歴史的名曲。

 

 3. COBALT HOUR('75)荒井由実

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 3枚目になると、俄然アレンジの幅が広がりバンドサウンドがより重視される。

なのでティンパンとシュガーベイブが主張してやや張り切り過ぎなきらいも。(いいんだけどね)

楽曲の幅も広がり、溢れ出る才能が止まらない。のちのエンターテインメント性の萌芽が見られる。

★9

【この1曲】

『卒業写真』

ここは文句なし。『瞳を閉じて』同様、非の打ち所のないスタンダードな名曲。

 

 4. 14番目の月('76)荒井由実

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ここで一気におしゃれで都会的なフュージョンサウンドになる。

最初期の弾き語りベースの楽曲から完全にサウンド志向に転換した感じ。

★10

【この1曲】

『中央フリーウェイ』

ここはこの曲に尽きる。

都会的で洗練されたサウンド、流れるような自然な転調もお見事と言うしかない。

そして何よりこのメロディーに「♪中央フリーウェイ〜」という歌詞を乗っけた発想が天才としか言いようがない。

個人的に中央高速はよく利用するのだが、東京からの帰り道に府中に差し掛かるとやはり「♪右に見える競馬場 左はビール工場」と自然に口ずさんでしまう。

 

 

 

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輪島死す

自分が物心ついて相撲を見始めた頃は輪湖時代真っ只中で、もうすでに横綱輪島は大スターだった。

しかし力は衰え始めていて、毎場所のように若い北の湖との優勝を決める一番で水入りの大相撲に持ち込まれ、最後はがっぷり左四つになってへたばって負ける姿が印象に残っている。

そんな中でも時折見せる黄金の左下手投げや吊り技の切れ味はまだ健在で、自分にとっては華やかというよりも「渋い」お相撲さんだった。

思い出すのは千代の富士が関脇で初優勝した場所、5日目に輪島と対戦したのだが、自分は普段は千代の富士の熱狂的ファンだったのに何故かその日だけは輪島を応援したくなり、国技館の相撲中継の放送席の真横で取組の間中必死で「わ〜じ〜ま!」コールをしていた。

応援むなしく輪島は負けてしまったが、今でもたまにその一番がTVで放送されると、かすかに自分の必死で応援する声が聴こえてくる。

何故その一番だけ無性に輪島を応援したくなったのかは今となってはわからないが、輪島が引退したのはその次の場所のことだった。

 

車の修理

数日前から車の調子が悪いので、今日は車屋さんを3軒ハシゴ。
 
最初の店では予約していったにもかかわらず、終始面倒臭そうで嫌々診てるという態度。おまけに故障部位を特定できず色んな所を交換するとのことで、なんと7万円!の見積もり。
 
納得いかなかったのでここは保留にして、飛び込みでもう2軒回った。
 
どちらも飛び込みでも嫌な顔ひとつせず診てもらえたが、1軒目は作業が数日がかりになってしまう上に、代車が混み合っていてかなり先になってしまうとのこと。
 
しかし最後の3軒目ではあっという間に異常部位を特定し、しかも今週中に行けばその日のうちに直してくれて代車の必要もなしとのことで、ここに決定。しかも見積もりは1万6千円。
 
引っ越し屋も会社によって値段がかなり違って、しかも数社に見積もり取らせれば取らせるほどに安くなって最終的には最初の半額近くになったりしたけど、車の修理もそうなんだな〜。
もしかしたら病院なんかもそうなのかも。
 
とりあえずは一安心。
しかし来週予定していた海行きはまたしてもこれでつぶれてしまった。゚(゚´Д`゚)゚。

ユーミン

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荒井由実松任谷由実の全曲がついに配信開始された。

実を言うとユーミンがヒット曲を連発していた頃、ひねくれ者で典型的厨二病だった自分は、時あたかもバブル時代と相まって彼女が作り出した当時のいわゆる女子大生文化みたいなものに対する反発心があって、敢えて耳に入れないようにしていた。
ユーミン?歌ヘタじゃん」などと嘯いて。なんと愚かな!(^o^;)

その後、かなり大人になってから後追いで荒井由実時代の初期の楽曲を聴き、自分の誤った認識を根本から改めることになった。
それでも松任谷由実以降の曲にはやっぱり中々馴染めなかったが、かなりオッサンになってからスキー場に向かう吹雪の車の中で偶然『BLIZZARD』を聴いた瞬間、電撃が走った。
そのシチュエーションに入って初めてリアリティを持ち、それまでの偏見が消えた瞬間だった。
それ以来、80−90年代の曲にもいい曲が沢山あることを知った。
特に『恋人はサンタクロース』と『BLIZZARD』は聴いていると何故か涙が溢れてくる。何故だろう。この秘密も知りたい。

なので今回の全曲配信開始はとても嬉しい。
全曲リマスターというのも素晴らしい。
まだまだ知らない曲も沢山あるし、11月に初めて行くコンサートに向けて思う存分予習するぞ!
それにしても厨二病だった頃の自分が歳を取って、最も軽蔑していたSURF&SNOWなオッサンになるとは想像もしてなかったよ(^o^;)

 

大相撲秋場所

大相撲秋場所横綱白鵬の41回目の優勝で幕を閉じた。

今場所は珍しく横綱大関が皆勤して、それぞれまずまずの星を上げ格好をつけたのは大いに評価できる。

何より感じたのはやはり白鵬の圧倒的強さ。
近年の成績から限界説も囁かれ始めていたが、そんなものをふっ飛ばす気迫がみなぎっていた。

特に序盤戦は、批判を浴びていた張り差しと肘打ちを極力抑え(優勝がかかった後半戦では出てきたが)、立ち合い左上手を取るスピードはかつての千代の富士を彷彿とさせ、その立ち合いにかける気迫は鬼気迫るものがあった。
まるで「張り差しなんかしなくても俺はこんなに強いんだぜ」というのを見せつけるかのようだった。

最近は怪我が多くなってしまったが、休むときはしっかり休み、体調を万全に整えて出てくる姿は、是非他の力士にも見習ってほしい。

まだまだ体調さえ整えば他の力士との力の差は大きいと感じた。

そして今場所の焦点の一つは稀勢の里の復活。
結果的にどうにか二桁の星を上げ一安心だったが、内容は奇跡的に勝ちを拾った相撲が多くハラハラの連続だった。

なにしろ左おっつけで横綱に上がった力士が、最大の武器であるそのおっつけがずっと(多分これからも?)使えない状態というのはあまりにも厳しすぎる。

今場所は潜在的な体力と土俵際の相撲勘でどうにか危機を乗り越えたが、来場所以降はまだまだ前途多難と言わざるを得ない。

今場所もう一つの焦点だった御嶽海の大関獲りは、振り出しに戻ってしまった。
先場所は上位陣がいない中での優勝だったが、やはり上位陣が戻ってくるとこの星は仕方ないか。
しかし安定した力は着実についてきているので、大関に上がる日は近い。
来場所以降も大いに期待したい。

寂しかったのは史上初の三賞いずれも該当者なし。
嘉風、竜電あたりにはあげて欲しかった。

J☆Dee'Z(ジェイディーズ) SUMMER LIVE TOUR 2018~未来飛行~ 渋谷CLUB QUATTRO

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J☆Dee'Zにとって3年ぶりの東名阪ツアーの最終日、渋谷CLUB QUATTROに行ってきた。

自分にとってJ☆Dee'Zのライブは5月のFun Fan LIVE以来2度目。今回は初めての生バンドライブだったのでとても楽しみにしていたが、そんな期待を裏切らない素晴らしいライブだった。

最も印象的だったのは、メンバー3人のそれぞれの声の力。その力が生み出す圧は生バンドに全く負けていなかった。

そんな中でも個人的に今回のライブの白眉だったのは、スティーヴィー・ワンダーの『Don't You Worry 'bout A Thing』のカヴァーと『代わりにこの唄を』だった。

まず『Don't You Worry 'bout A Thing』。
これほどの名曲を堂々と歌いこなすのには驚いた。
それには前述したような「歌の力」があってこそ。
以前からNonoの歌には黒っぽいソウルフィーリングを感じていたが、最近は他の二人にもそんな雰囲気が見え隠れするようになってきた。
本格的に歌を歌いだしてわずか2年でこの域に達するのは本当に凄いと思う。彼女たちの日頃の努力がいかに凄まじいかを物語る。

ソロコーナーでのMOMOKAの歌の後ろで並んで踊りながらコーラスを付けるamiとNonoの姿を見ていて、俄然往年のシュープリームスロネッツのようなアメリカンガールズポップス路線も見てみたいと思ってしまった。

まあ言うまでもなく既に昨年の『Fun Time Funk!!!』でそれをやっているプロデューサーの目の付け所の確かさはさすがというしかない。



 歌もダンスもずば抜けた実力を誇る彼女たちだけに、今後楽曲も含めてそれを存分に活かせるこの路線をとことん突き詰めるのもとても面白いと思うし、個人的に凄く見てみたい。

そしてもう一つのハイライト『代わりにこの唄を』は、先立ってリリースされたCD音源では若干のオーバーアレンジに彼女たちの歌にも戸惑いが見え、正直作品として上手く噛み合っているとは思えなかった。

しかし今回のライブでは、メンバー3人それぞれがしっかりと曲を自分のものにして表現し歌いこなしていて、その説得力のある歌声は会場全体の空気を支配し、思わず聴き入ってしまった。
生バンドアレンジという変化もあって、それまでの自分のこの曲に対する印象を完全に払拭してくれた。

これぞまさに生の歌の力。
そもそもダンスグループとしてスタートした彼女たちが、もはやダンス抜きで歌だけでも十分勝負可能な域に入ってきたことを証明した。

そしてライブ終盤では、11月に9thシングルの発売が発表された。

このシングル、とても大事だと思う。

今回のシングルは、4曲とも出来としてはそれなりに高いクオリティを保ってはいるが、個人的にはこれまでのシングルと比べて正直ややパンチを感じなかったのも事実。

急激に力をつけている真っ最中でツアーも成功させて注目度も少しずつ高まっている中、次のシングルでは『Melody』や『あと一歩』のような、一聴しただけで聴く者のハートにガツンと訴えかけてくるようなパンチのある楽曲をお願いしたい。

J☆Dee'Zのライブを観て一番大きく感じる感じることは、ここまで激しく踊りながら歌もハモリもしっかりと合わせるという至難の業を笑顔でやり遂げる、彼女たちの音楽に対するひたむきで真摯な姿勢と心意気。
その笑顔の裏には日頃の人並み外れた努力があるはずで、それが観る者に伝わり、大きな感動を生む。

あとは、彼女たちの持つ本来のダンスの実力を持ってすれば、ライブハウスのステージはいかにも狭すぎる。
もっと大きなホールのステージでスポットライトを存分に浴びてのびのびと踊るジェイディーズを早く観たい。

彼女たちがもっと多くの人に認められ、更に大きな感動を生み出す日は、すぐそこまで来ていると思う。

その日が来るのを心待ちにしたい。

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