チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

『帰ってきたヒトラー』

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コピーに「現代にタイムスリップしたヒトラーがモノマネ芸人として大ブレイク!」とあるので笑えるコメディ映画かと思ったら、いやいやこれは全く笑えない。

作中の街頭インタビューがどこまでガチか仕込みか判別できないけれど、ヒトラーに対する複雑な感情、現代のドイツが抱える移民問題の深刻さ、ポリティカル・コレクトネスによる抑圧の根深さは伝わってくる。
恐らくドイツ人にしかわからないようなネタも多く、外から観ていてそれをどう判断するべきなのか軽々しく何とも言えない部分も多い。

ヒトラーの人格に関する不愉快な描写も多く、どこまで演出かわからないけれど一般市民を揶揄したりドッキリ的な演出もあったりして、制作陣の趣味の悪さが随所に垣間見えて、観終わったあとの後味は甚だ芳しくないまさに問題作。

そして「歴史は繰り返す」という警鐘も。

待望の初キャンプ!

去年の暮からずっと準備をして楽しみにしていたが、コロナだなんだでずっと延び延びになっていた待望の初キャンプに行ってきた。

場所は近所の西湖畔。テントの中から寝転がって見える美しい湖面が壮観!

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富士五湖では主に富士山が見えるキャンプ場が大人気で、富士山の見えない西湖南岸側のここは平日なら空いているだろうと思っていたが、昨今のキャンプブームのせいか、そこそこに混んでいて驚いた。
とはいえ酔っ払って馬鹿騒ぎするようなグループはおらず、落ち着いた人たちで助かった。

ついに念願かなっただけにもちろんとても楽しかったが、実際やってみないとわからなかった反省点も色々。

まずはこの時期まだ暑い!林間ならいいかもしれないが、直射日光を遮るもののない湖畔はもうちょっと涼しくなってからの方がいい。

夜はテントが吹き飛ばされそうなほどの激しい強風と雨で興奮も相まって全く眠れなかった。
強風というのは盲点だったが、天気によっては吹きっ晒しの湖畔と風を遮る林間の選択も大事だと思った。

そしてこれも強風ゆえのことではあったが、焚き火の火の粉が舞い上がって難儀した。
薪と併用した炭の方は長時間安定して火が残っていたので、薪よりも炭をメインにしたほうがいいのかもしれない。

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自分の理想のキャンプは荷物を必要最小限に抑えるシンプルなもの。
料理やグルメの要素は全く求めていないので、食事はスーパーで買った鍋焼きうどんとカップラーメンとイカゲソ串焼きで十分満足だった。

それでも初めてなのでまだ荷物が多い気がしたので、ここから少しずつ必要のないものを減らしてよりミニマムなものにしたい。

色々反省点はあったが、想像通りにキャンプは楽しかった!
日常とはかけ離れた屋外で、波の音や虫の声を聴きながら眠りにつく楽しさ(興奮しすぎて眠れなかったが💦)は、ここでしか味わえない格別なもの。
これから少しずつ改良して自分なりのキャンプを作っていきたい。

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キャンプに来て連合赤軍の本を読む男。

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湖畔はコスモスが花盛り。

『ヒトラー〜最期の12日間〜』

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ヒトラー絡みの作品は政治的メッセージがこめられているのではないかという先入観があったので、これもその辺を警戒して観始めたが、過度な演出や露骨な批判も称賛も善悪の表現も極力抑え、淡々とヒトラーが自決するまでの出来事をドキュメンタリータッチで描いているのがとても良かった。

ソ連軍が侵入を開始しているベルリンの地下壕という狭い空間で、差し迫る恐怖と緊迫感と焦燥感と絶望で一瞬たりとも目を離すことが出来ず、最後まで一気に観てしまう。
その密室の恐怖パニック感は『Uボート』に通ずるものがある。

日に日に目に見えて憔悴していくブルーノ・ガンツ演じるヒトラーの演技がお見事。

観終わってからもしばらくその衝撃の余韻に浸ってしまうくらいのまぎれもない傑作。
今後何度も繰り返し観ることになるだろう。

 ゲッペルスの顔が怖くて夢に出てきそう…。・゚・(ノ∀`)・゚・。

ヒトラー ~最期の12日間~ (字幕版)

ヒトラー ~最期の12日間~ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

『イエスタデイ』

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突然ビートルズの存在しない世界に飛び込んだ主人公がビートルズの曲を歌うとどうなるか。
「もし自分がビートルズになったら?」そんなロック好きなら誰もが一度は夢想するようなシチュエーションを描いた映画で、観る前は楽しみにしていた。

しかし映画の出来は、エド・シーランまで引っ張り出しておいてちょっとスケールの大きな「世にも奇妙な物語」の域を出なくて残念。

演奏シーンメインなのかと思っていたら、ビートルズの曲は単なるネタフリで、延々とクソつまらない陳腐なラブストーリーを観せられる。

こんな冴えない男でもビートルズの曲を歌えばたちまち大スター」という意図なんだろうが、主人公の男がまた終始ウジウジして魅力がなく観続けるのが苦痛。

それとそういう意図に基づいた演出なんだろうとは分かっていても、コードを間違えてる『The Long And Winding Road』を聴かされるのは、やはりビートルズ好きとしては心穏やかでいられない。

ラストシーンも、俺の大嫌いな大掛かりなサプライズ演出で、これで感動しろというのは無理。

あらゆる点で期待はずれな映画でした。

政治家の評価

安倍総理が辞意を表明した。

病を抱えながら長期に渡る政権運営にのしかかる責任と重圧は如何ほどのものだったか、想像するに余りある。
まずは一国民として「お疲れさまでした」と言いたい。

政治の評価は、どの点に重きを置くかで人それぞれ変わってくるものだと思うが、個人的には特に外交と安全保障と経済面において安倍政権を高く評価している。
もちろんその中でも細かい点を挙げれば気に入らない所も多々あるが、大局で見れば他のどの政権もできなかった大きな仕事を沢山成し遂げたと思う。

政治家の評価というものは数十年の時間を経てようやく定まるもので、例えば今では戦後の名宰相との評価がほぼ確定している吉田茂でさえも、在任当時は特に末期においては国民的批判を浴びて這々の体で政権を追いやられた。

国を揺るがす大きな反対運動が起き、当時の岸首相を退陣に追い込んだ新日米安全保障条約も、戦後日本の平和と発展においてその果たした大きな役割を否定する者は今の時代では誰一人としていないであろう。

一方、例えば近衛文麿は当時とても国民的人気があったようだが、政権内部にスパイを入り込ませ判断を誤り、日本を米国との戦争に向かわせる大きな一因となってしまった。
それと在任当時はとても人気のあった小泉純一郎氏は、現時点では歴史的に何を成したかあまり思い浮かばない。唯一のスローガンだった郵政民営化は、まだまだ後の世の評価を待つしか無い。
就任時、驚異的な高支持率を叩き出した細川護熙氏、鳩山由紀夫氏に至っては言わずもがな。

このように、総理大臣在任当時の社会的評価と、後世になって定まる歴史的評価は必ずしも一致するものではない。

例に挙げた吉田茂岸信介のように、後の日本にとって必要な大局を持った政策を、一時の国民の評判に左右されることなく信念を持って推し進めることのできる政治家こそが真の政治家と言える気がするが、いかがだろうか。

さてそこで安倍内閣はどうであったか。
特定秘密保護法や平和安全法制、そして2度に渡る消費税増税など、一時的に一部の国民の大きな反発を受けたにも関わらずすぐに支持率が回復し、長期に渡って安定的な高支持率を維持し続けたこの政権は、そのどちらにも当てはまる稀有なものではないだろうか。

第一次政権発足当初からずっと、ごく一部のメディアや「知識人」、おそらく60年安保世代の中に、安倍総理岸信介の孫だからという理由で「戦争したい人」みたいな時代遅れの価値観の理不尽なレッテルを貼り、何をするにもひたすら執拗に叩き続けたアンチ層がいたのは気の毒だった。人を出自で判断してはいけない。

しかし一方、常に叩く材料を探して、時には理不尽だったりピント外れの批判を繰り返し煽り続けたオールドメディアのマスコミに惑わされることなく支持し続けた人が多かったということは、新しい時代の日本国民の成熟度を現しているとも言える。

一つ一つの政策の評価は後の世に任せるほかないが、現時点では憲政史上最長の政権を高いレベルの支持率で維持し続けたという事実一つだけでも歴史的名宰相であると言っていい。

さてそんな安倍政権だったが、個人的に残念だったことも沢山ある。
その最大のものは何と言っても憲法改正を成し遂げられなかったこと。
これは総理ご本人にとっても生涯悔やまれる痛恨事だったであろう。
今後これほどの確固たる信念と実行力を備えた総理が現れるだろうか?
返す返すも残念でならない。

その他にも、拉致問題の解決、北方領土問題など、政治家安倍晋三にとっての最重要課題が解決されなかったことは惜しまれる。

個人的に残念だったのは、終始周囲の意見に耳を傾け安全運転に徹しすぎた感がある所。
せっかく高い支持率で長期政権を担っているのだから、自分の信念に基づく部分ではもっと強引に周囲を引っ張るところがあっても良かった気がする。

あとは、国会などでついつい野党の挑発に乗っかってしまう所も残念だった。
たとえば森友問題での「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」という発言。あれはよろしくなかった。
理不尽な攻撃に反論したい気持は痛いほどわかるが、そこは大宰相らしく泰然と対応してほしかった。
まあその辺も彼の人間らしい一面であると言えるのだが。

さて、長きにわたる長期政権を担い続けた安倍総理だが、今後はどうなるのだろう?
まずは激務から離れてゆっくり時間をかけて療養して病を癒していただきたい。
病が癒えた後は後進の指導にあたっていただきたいが、とはいえまだまだ政治家としては若い。
現役の政治家として、例えば麻生氏のように外務大臣などで長期政権の経験を活かした得意分野の外交で手腕を発揮してほしい。それを歓迎する国も多いだろう。
それどころか完全に病が癒えたらまた総理大臣再々登板というのも勝手ながら期待したい。
その節にはいよいよ悲願の憲法改正を成し遂げていただきたいものだが、まだまだそれは私の勝手な夢想の域を出ない。

今の政治家を見渡してみても、安倍総理ほどの信念を持った政治家は残念ながら見当たらない。
これからの日本政治に、安倍晋三のような確固たる強い信念を持った政治家が現れることを期待したい。

Lampとの出逢いは生涯の出逢いとなるか

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自分にとって生涯の出逢いとなるかもしれないバンドと出逢ってしまった。
その名は「Lamp」。

最近AmazonMusicのディスカバリーで教えてもらってとても気に入った、MinuanoというユニットのVocalの榊原香保里さんが元々所属するバンド。
そもそもMinuanoLampから派生したユニットで、本来こちらの方が母体。
それどころかLampは結成から20年経つベテランバンド。
不覚なことに今までその存在を全く知らなかった。

そのサウンドは、はっぴいえんど、キャラメルママからユーミンへとつながるフォークロック〜シティポップをベースに、ボサノバ、ソウルミュージックビーチボーイズのハーモニー(俺の好きなものばっかり!)の影響を色濃く感じ、その他あらゆる音楽を吸収し咀嚼し、唯一無二の「Lampの音楽」として極めて高いレベルに昇華している。

そのサウンドのクオリティの高さと肌触りの近さはまずすぐ思い浮かぶのはキリンジか。
自分はキリンジも好きだが、このLampはその高いクオリティに加えて、男女ボーカルというのが何よりとても素晴らしい。
1曲の中でボーカルが変化していくので、常に飽きることなく新鮮で、そのどちらもウィスパー気味の歌い方で、押し付けがましさを全く感じないのがとても聴きやすく心地よいので、ずっと聴いていられる。
そう言えば自分の好きなバンドやグループってメインボーカル複数が多いな。
その心地よいボーカルに包まれるように、全く予測のつかないメロディと、摩訶不思議なコード展開に翻弄される快感は得も言われぬもの。
そのまま身も心もこの音にに任せてどこか知らない遠い世界に連れて行ってもらえる喜びは、何度聴いても新鮮で飽きることがない。

あまりにも自分の嗜好にドンピシャリで、初めて聴いてからというものここ数日朝から晩まで浴びるように聴いているが、聴く度に噛めば噛むほど味わいが増していくばかり。
しかも本当に誇張抜きで、全アルバム、全曲、全部いい。
今まで知らなかったのが悔やまれる。
もっと早く知ってLampの新作を毎回心待ちにしたかった。
寡作になってはいるがまだまだ現在進行中のバンドなので、これから自分にとって初めての「Lampの新作」を今から心待ちにしたい。
それにしてもこれほどのバンドが結成20年目にしていまだに「知る人ぞ知る」的存在なのは何故なのか?

初めて聴いてまだ数日なのに、早くも自分にとってのビートルズビーチボーイズYMOユーミンなどと肩を並べるくらいの、生涯聴き続けるであろう音楽になる予感がある。
ついに見つけた。
Lampとの出逢いは生涯の出逢いとなるであろう。

自分もこういう音楽を作りたかったな。
え、今からでも遅くない?
いやいやいやいや…。

 

 


Lamp 空想夜間飛行


Lamp / 雨降る夜の向こう


Lamp 「さち子」【Official Music Video】


Lamp 冷たい夜の光

メロディの記録法

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昔から譜面を書くのが嫌いだったので、何かメロディが浮かんだ時は古くは自宅の留守電、そしてボイスレコーダーへ鼻歌録音、または簡単なMIDIデータにするなどして記録していた。
しかし段々面倒になっていき、そんなものは後から確認することもなくなり、いつしか記録することすらしなくなり、あまたの名曲(絶対そうに決まってる!)が刹那の虚空へ消滅していった。

しかし先日、百均で五線紙があるのを見つけて試しに買ってみた。常に手元に置いておいて何か浮かんだら書き留めていたら、あら、これいいじゃない!
DAWを立ち上げる手間もないし、お手軽にいくらでも書き留めることができるのであっという間に数曲分溜まったではないか!おまけにいつでも手軽に確認できるし。

長い年月を経てようやく原点に戻ったということか。
やっぱりアナログが最高!…てことなんだな〜(^o^;)

昔の自分を振り返ると「うわぁぁぁぁぁぁ〜!!!!!」と叫びながら頭を抱えてしまいたくなることばかりなのだが、そんな自分にも「うん、なかなかいいんじゃない?」と思える数少ない作品がこちら。


『氷結の森』ペーソス艦隊

The Beach Boys『1967 - Sunshine Tomorrow 2 The Studio Sessions』

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ビーチボーイズ50周年企画、続いては『1967 - Sunshine Tomorrow 2 The Studio Sessions』。
こちらは前作の続きで、やはり1967年に録音された主に『Smiley Smile』と『Wild Honey』のアウトテイク集。
演奏トラックのみのいわゆるカラオケバージョンも揃っているので、『Smiley Smile』と『Wild Honey』を歌いたい人は是非!(そんな物好きな人はいないと思うけど)
例によってマニア以外には全く聴く価値はないが、とにかく音質がおっそろしく良好。
以前持っていたこの2枚の正規版のCDよりも格段にこちらのアウトテイク集の方が音がいいってどういうこっちゃ。
昔のCDは何だってあんなに音が悪かったんだろうね。
あの音の悪さがこの時期のビーチボーイズを取っ付きにくくしていた要因の一つであることは間違いない。
ま、もちろん最大の要因は楽曲のショボさだけど(^o^;)

とはいえクリアな音質で今まで埋もれていた音が明瞭に聴き取れるのはマニアとしてはこの上ない喜び。
演奏のショボさは置いといて、やはりブライアンのコーラスパートのこだわりは尋常ではない。
それにしっかり付いていって高い技術力で応えたメンバーの忍耐力は相当なものだっただろう。

後半はハワイ録音のスタジオライブ。
実際のライブの内容があまりにもひどかったので、スタジオ録音をライブ演奏の体で発売しようとしたのか、演奏は実際のライブよりは幾分はマシだけど、やはりライブ盤にして発売するレベルではない。

それにしても今回の『1967 - Sunshine Tomorrow』シリーズ、もうちょっと時系列などで系統立てた曲順にしてもらうことはできなかったものか。

 

 

 

The Beach Boys『1967 - Sunshine Tomorrow』

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最近ビーチボーイズの60年代後半のアルバムがリリース50年を記念してステレオリミックスされたりアウトテイクが大量にリリースされているので、備忘録を兼ねて記録していくことにする。

まずは『1967 - Sunshine Tomorrow』。
これの目玉は1967年リリースの『Wild Honey』の初の(かな?)ステレオリミックス。(1-11)
しかし1967−69年くらいの間はビーチボーイズの長い歴史の中でもとりわけ暗黒期と呼んでいい時期で、その時期にリリースされたこの『Wild Honey』も完成度は低く、自分のようなファンでも好んで聴きたくなることはほとんどないくらいの、まず初心者にはとてもお勧めできないアルバム(^_^;)
とはいえ愛着はあるので、今の時代にこうしてこのアルバムがこれまでの音源とはケタ違いの極めて高音質でしかもステレオで聴ける喜びはファンとしては大きい。
しかしそんな暗黒期にも『Darlin'』という飛び抜けた名曲を生み出しているのはさすが。

そして12-25と2枚目前半は67年に録音された『Wild Honey』だけでなく『Smiley Smile』などのアウトテイク集。
もちろん暗黒期のブライアン自宅スタジオでの録音なのでマニア以外には全く聴く価値のない資料的音源ではあるが、特筆すべきはその音質の良さ。かつて西新宿に通って手に入れたブート盤の劣悪な音質は一体何だったのかと。マスターテープはこんな高品質で録られていたのか。
本などの資料によると、この時期ブライアンは『Smile』制作頓挫のショックで精神を病んで閉じこもってしまい制作現場から遠ざかったとのことだったが、こうして聴いてみるとまだまだプロデューサーとしてバリバリ積極的に指示を与えていたことがよく分かる。
そして自宅録音になったことで、それまでのアメリカを代表するレッキングクルー錚々たる面々を思うがままに操っていたのと比べて演奏こそチープになったものの、コーラスパートへのこだわりはもはや異常レベル。

残るは当時のライブ音源なのだが、これはヒドい。
特にハワイでの演奏はどれもこれも気の抜けたような演奏と歌で、こんな演奏をしていたら当時ジミヘンなどが聴衆を熱狂させていたアメリカの音楽シーンで、ビーチボーイズが時代遅れと嘲笑され一気に人気が急落してしまったのもむべなるかな。
よりによってこれを元にライブアルバムを作ろうとしたがレコード会社に突っぱねられたのも当然だろう。
さすがのマニアでも聴き続けるのが苦痛レベル。

 

 

Minuano『蝶になる夢を見た』

AmazonPrimeMusicの『今週のディスカバリー』がまたいい仕事をしてくれた。
今回見つけたのはMinuano。不勉強につき一体どんな人達なのかはさっぱりわからないけれど、とにかく楽曲が素晴らしくよい。ジャズ、ボサノバ、フレンチポップあたりの深い造詣を感じる予測不能なコード展開とメロディに翻弄される楽曲はもう大好物。
サウンドも好みど真ん中で、そこに軽やかに乗る女声ウィスパーヴォイスがとにかく心地良い。
これはタダモノではない。メチャメチャハマりそう(*゚∀゚)

 


Minuano 3rd Album『蝶になる夢を見た』