幼少時代に映画に魅せられた少年が、街の映画館の映写技師と仲良くなり、やがて挫折と別れを経験し街を離れ、その後成功を収めたのちに数十年ぶりに故郷に帰り、かつての記憶の跡を辿り、人々の思いを知るという、ベタではあるがとにかくノスタルジー満載の映画。
まだ他に娯楽が少なかった時代、街の映画館に溢れんばかりに集まった人々が、泣き、笑い、歓声を上げ、全身全霊で映画に没頭する姿は非常に興味深い。
当時映画というエンターテインメントはさほどに人々を夢中にさせる力を持っていたのだろう。
エンニオ・モリコーネの音楽もまた素晴らしい。
そして何より故郷シチリアの風景と街がたまらなく美しい。
そしてイタリア語の響きもいい。これは是非とも字幕版で観るべきだろう。
いつかまた自分が人生を重ねた時に観てみたい映画となった。