坂の上の雲(三)~司馬遼太郎全集28~ | 司馬遼太郎 |
日露戦争写真集 | 酒井修一 |
図説 日露戦争 | 太平洋戦争研究会・平塚柾緒 |
日露戦争秘話 杉野はいずこ | 林えいだい |
兵士たちの日露戦争 五〇〇通の軍事郵便から | 大江志乃夫 |
殴る騎手 | 森田駿輔 |
連合赤軍27年目の証言 | 植垣康博 |
北朝鮮生活 カメラに写らない「北」の市民生活 | チャン・キホン |
坂の上の雲(三)/司馬遼太郎
ついに物語はクライマックス、奉天会戦と日本海会戦へ。
奉天会戦は日露双方多大な犠牲を出した上にロシアの戦況誤認による退却でやっとのことのボロボロの勝利。一方日本海海戦はこれ以上望むべくない程快心の圧倒的大勝利。にもかかわらず講和条約では小国の国力のなさ故に妥協せざるを得なかった。
まさしく国の存亡を掛けた戦いがこの小さな国の総力を挙げて行われ、多くの尊い犠牲を払ってぎりぎりの所で勝利を勝ち取った。しかしながらこの奇跡的な勝利が、優れた作戦の上に成り立っていたものだったことを忘れた日本軍の驕り高ぶりが、この後の無謀な戦争を招いた、とするのが司馬氏の見解。
それはともかく、日本海海戦の場面はまさに圧巻。迫力にぐいぐいと引き込まれ時の経つのも忘れてしまった。
戦い終わった後の主人公たちはみな静かなり。いかにその戦さに全精力を傾けていたのか。想像を絶する。
また全て読み通すにはかなりの集中力がいるけれど、この本はきっとこの後の人生の中で何度も何度も読み返すことになるだろう。
星は五つではとても表せない。
★★★★★+★★★★★