チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

連続テレビ小説『エール』を観終えて

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『エール』が終わった。
途中コロナの影響で長期間の撮影中断があったりして当初の構想からはかなりかけ離れてしまったであろうことが容易に想像されて気の毒だったが、それを差し引いたとしても失敗作だったと言わざるを得ない。
最も致命的だったのは、登場人物に「この人をもっと見てみたい」と思わせてくれるような魅力的な人物が一人もいなかったこと。
主人公を含め、それぞれの役作りがことごとく上手くできていない気がした。
演出もコミカルな部分を強調しすぎて、作り手側の「どうだ?これ面白いだろう?」という傲りを感じてしまった。

当初は作曲家が主人公ということでもっと音楽を生み出す過程を描いてくれることを楽しみにしていたが、それよりも家族や友人とのことが主軸になってしまって残念だった。まあ朝ドラというのはそういうものだが。
それにしても主人公ほったらかしで他の人物中心のスピンオフ的エピソードがあまりにも多過ぎたのはいかがなものかと思う。

コロナの影響で出演者の都合が付かず脚本も大幅に書き換えられたようで、最後の集大成とも言えるクライマックスの東京オリンピックがとんでもなく駆け足になってしまったが、その前の週にダラダラ時間をかけてつまらない娘の結婚話をやっていたのは一体何だったのか。
そして途中色々あったエピソードもほとんど回収されずにほったらかしのまま終わってしまった。

思い返せば、『あまちゃん』以降で自分が面白いと思った朝ドラってほとんどない。
強いて言えば『マッサン』と『ひよっこ』の前半くらいかな。
なので毎回思うことだが、自分は朝ドラに向いていないのではないか?
しかし現在並行して再放送中の『澪つくし』は抜群に面白いし、過去にも『おしん』『カーネーション』『てるてる家族』そして『あまちゃん』などどっぷりハマった名作もあるので、単に最近の朝ドラが面白くないだけなんだろう。
こんなことを繰り返しているので、そろそろ朝ドラを卒業したいと毎回思ってしまうのだが、次に控える2作『おちょやん』『おかえりモネ』のヒロインがそれぞれ自分が注目している杉咲花と清原果耶なので、これは観ないわけにはいかない。
まだ1年は観続けることになるのだろうなぁ😅