チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

自民党総裁選始まる

自民党総裁選が間もなく始まる。
自分は党員ではないので投票権はないが、やはり事実上の次の総理が決まる戦いになるので、大きな関心を持って注視している。

17日の告示を前にして立候補表明者がほぼ出揃ったようだ。
岸田・高市・河野・石破・野田氏のうち、個人的に石破・野田両氏は全くの論外だし可能性もほぼないので、残り3氏について。

真っ先に立候補を表明した岸田文雄氏。
毎回総理候補として名の上がる人だが、前回の総裁選で惨敗したことで「終わってしまった人」になったかに思えたが、ここにきて腹を括ったか現在権勢を振るう二階幹事長に反旗を翻すかのような発言で一世一代の勝負に出て、従来の優柔不断のイメージを一新して再び名乗りを上げた。
調整能力にも優れており、「自民党総裁」としてならこの中で最もふさわしい人かもしれない。

次の高市早苗氏は個人的に以前からずっと好きな政治家だし、今回の候補者の中でも最も好感を持っている。
早々と安倍前総理が全面支持を打ち上げたのは驚いたが。
主張する政策も非常に具体的でわかりやすく、演説や会見も立て板に水の言語論理明晰で物腰も柔らかく、今回の候補の中では最も上手くて好印象。
内容も至極真っ当なことを言っているが、政治というのは妥協と調整が重要な仕事。
正論一辺倒では敵も作りやすく、なかなか思い通りには進むものではないのが難しい所。
岸田氏や河野氏の出馬会見の内容がどうもボンヤリした印象になってしまっているのは、ピンポイントに絞った支持層ではなく各方面に最大公約数的に幅広く支持を集めるためのもので、高市氏にもその辺の微妙な匙加減が今後必要になってくる。
彼女が総理大臣になって公約を実現したら日本も変わって面白いとは思うが、野党陣営に目の敵にされているこのままでは、国会で言葉尻を捉えられ集中砲火を浴びたり足を引っ張られて政治が停滞してしまうのが今から目に見えて、現実的に考えると前途多難が容易に予想されるのが心配ではある。
ただ今回の立候補はどちらかというと、離れかけてしまった保守層の自民党支持を再び引き戻すことが目的と見る向きもあり、そういうことであればその目論見はかなり強く奏功していると言っていい。

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2010年6月 川口にて安倍前総理と高市早苗

次の河野氏は、発信力があり若者からの知名度も高く、発信力がまるでなかったことが支持を失った大きな原因となった菅総理から比べるとイメージアップは間違いない。
個人的にもずっと注目している政治家で、いずれは総理の座についてほしいと思っているお方である。
ただ私が彼にどうしても求めたいのは、父である河野洋平氏が日本に長年に渡る災厄をもたらした大いなる負の遺産(いわゆる河野談話)の総括と精算である。
何故ならそれができるのはもはや実の息子である彼しかいないからなのだが、彼にそれができるだろうか?
ここまでの彼を見ていると、政策も含めて父親とは全く違う別人格ではあることは間違いないが、やはり疑問は残る。
とはいえ今更河野談話を全否定というのも現実にはかなり困難なことなので、何か別の形での「声明」を出したり他の手段を用いるなどして、もう30年近くも前の古い声明を別角度から「無効化」するようなことができたらいいが、そんなアイデアがあるかどうか。
しかしそれはひとまず置いておいて現在彼の国民的知名度と人気は高く、彼が総裁になったら自民党のイメージアップは確実で、自民党議員が次に控える衆議院選挙を戦うにあたって自民党が安定議席を獲得するには最も望ましいであろう候補であることは間違いない。

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2009年8月 南浦和にて 河野太郎

 そして本日石破茂氏が総裁選立候補見送りを表明した。
彼もずいぶん長いこと総裁候補と言われ続けてきたが、ここまで党内に敵を作って人望が失われてしまうともう難しいだろう。そろそろ年貢の納め時かもしれない。

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2009年8月 川口にて 石破茂氏(若い💦)

総裁選告示は2日後だが、今後有力候補が出てくる可能性も少ないので、岸田・高市・河野・(野田)の3〜4氏で争われることは間違いなさそう。
現状では直後の衆議院選挙を見据えたイメージアップと話題性で河野氏がやや優勢か。
しかし政治の世界は1日で物事が簡単にひっくり返ったりするので、まだまだこれから2週間何が起こるかわからない。
とにもかくにも、最初から結果が見えているのではなく、最終的に誰が選ばれるか全く予想のつかない総裁選は久しぶりなので、これから野次馬として存分に楽しませてもらおうと思う。