チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

beabadoobee, Laufey - A Night To Remember

サブスクのおすすめで偶然出てきたこの曲の素晴らしさに衝撃を受けた。
ビーバドゥービーとレイヴェイという二人のシンガーソングライターによるコラボらしい。
それぞれのソロも聴いてみたがどちらも痺れるほどの実に素晴らしい才能だ。
自分はどちらも知らなかったが、オルタナ系ロックを背景に持つビーバドゥービーとジャズ・クラシックを背景に持つレイヴェイという若き才能同士の大成功したコラボと言えるのではないか。
こうした若き才能をこれからも追いかけたい。
 


ビーバドゥービー、痺れるほどカッコいい。

 


レイヴェイもとんでもないセンスだ。

アニメ『進撃の巨人』完結

アニメ『進撃の巨人』がついに完結を迎えた。

言うまでもなく足掛け10年にも渡る超大作だが、自分がこの作品に出会ったのは随分遅く、ほんの2年前。
しかしそれからというものこの作品にどっぷりとハマり、アニメはもちろん原作コミックも全巻買い揃え、しかし結末だけは読まずに我慢して、ついに待ち侘びたこの日がやってきた。
これほど夢中になったアニメは自分にとって初めてだ。

こんな歴の短い自分でさえこうなのだから、開始当初からずっと観てきた人にとってはいかほどの感慨だったことだろう。

前半の未知の巨人に対して研究を重ね秘密を明らかにして対策し戦う物語もとても面白かったが、特に後半、舞台がマーレ国に移ってからがこの物語の本領で、巨人の秘密が明らかになる中でそこに民族国家の歴史や思想などの要素が入ったことで更に奥深さが増した。
その分難解さも増し、自分は一度観ただけでは理解できずに解説サイトなどの力を借りたことも度々あったが、そこに幾層にも織り込まれた要素の周到さと重厚さにはただただ驚嘆するばかりだった。
これほどの壮大なストーリーを連載開始当初から構想していたと言われる原作者諫山創氏の頭の中は一体どうなっているのだろうか、尊敬の念しかない。

圧倒的な相手に対峙する無力感と絶望感、無能な支配者と愚かな大衆、捏造される歴史、憎悪の連鎖、「不戦の契り」の意味、国家とは、人種とは、そして戦争とは、平和とは、戦う意味とは等々、人類が遠い過去から現在に至るまで抱え続けるリアルな矛盾を徹底的に描いた歴史的な傑作と言っていいだろう。

特にこの物語で最初から最後まで最も執拗に描かれていたのは情け容赦のない絶望だ。

エンディングのタイトルバックの映像で、恐らくはミカサやアルミンの死後長い年月が経過した後の世界(現代?)においても結局また戦争を繰り返しており、人類の争いは常に終わることがなく、正義の観念は双方にそれぞれ存在し、憎悪の連鎖は永遠に続くという絶望感はまさに象徴的だった。

さてこれほどの超大作が終わって、喪失感よりも今は大きな満足感に包まれている。

これから読むのを中断していたコミックをまた最初から読み直し、更にはアニメもまた最初から見直したりと、しばらくはこの余韻から抜け出したくない。
おっとその前に最終話をもう一度見直そう。

何もしない移住

自分の住む富士河口湖町も移住者が増えているようだ。

ただ9年前に移住した自分の場合は「移住」といっても、ここで紹介されている方々のように移住先で何か事業を起こしたり崇高な理念があったわけでも何でもなく、文字通り単に「住む場所を移した」だけだが、昔から憧れの地だった河口湖に移住して本当に良かったと思っている。
自分のことを誰も知らない地でひっそりと静かに暮らすというのは実に平穏で気楽で良いものだ。
最近よく話題に上る「移住先の地元民との軋轢」なんていうのも、市街地の賃貸マンション暮らしならば全くそんなことは起こらない。
人生において移住というのはかなりハードルの高い決断かもしれないが、「何かをするための移住」ではなく「移住して何もしない」という気楽な選択肢もあっていいと思う。

運動習慣

町の健康診断の時に申し込んだ無料メタボ対策プログラム。

自分は全くメタボではないのだが運動不足は間違いないし、そもそも元々参加する人が少ないようでどうぞどうぞと勧められたので参加してみた。

内容は提携するジムを利用して、6週間にわたってストレッチや自重トレーニングの講習、そして器具を使った筋トレやプールなどの自主トレなどを通じて体重や筋肉量などの変化を見るというもの。

まあ自分にとってはそれよりも運動習慣をつけるということの意味合いが大きかった。
毎週早起きは辛かったが、おかげで人生でこんなに動いたことはないんじゃないかというくらい運動することができた。
近年はウォーキングやサイクリングなどで足腰の運動はするようになっていたが、やはりマシンを使ってピンポイントの部分を鍛えるのは初めてだったのでとても効果的に思えた。

そしてこちらに来てからというものすっかり遠ざかってしまっていたが、プールで泳ぐのはやはり気持ちがいい。
今回はYouTubeの水泳チャンネルを見まくっていたので、以前より格段に泳ぎが進歩した気がする。
自分は30過ぎまで全く泳ぐことができなかった。YouTubeで知ることができたのは学校での水泳の授業を通じて全く誰も教えてくれなかったことばかり。
呼吸は水の中では止めるとか、水中では常に下を向いて前方に重心を掛けるとか、全然知らなかったよ!
特にバタフライは、以前は自分にとって全く理解不能な動きで、まず「できるわけがない」と挑戦しようとも思わなかったが、YouTubeで手足の一つ一つの動きを分解して解説してもらったことでようやくその動きの流れとメカニズムが理解でき、その通りにやってみたらまだまだ全然なんちゃってではあるが25m泳ぎ切ることができた!これは嬉しかった。

というわけでせっかくできた運動習慣、このまま継続していきたい。
さすがに毎週は無理だが、2週間に1回、月に2〜3回くらいは通ってみたいと思った。
今回の無料講習は自分にとって運動習慣をつける上でとても良い体験になった。
来年もあったら申し込もう。

三強世代

1着 ソールオリエンス
2着 タスティエーラ

1着  タスティエーラ
2着 ソールオリエンス

1着 ドゥレッツァ
2着 タスティエーラ
3着 ソールオリエンス

こうして結果だけを見ると今年のクラシックはソールオリエンスとタスティエーラの2頭の力が抜きん出ており、菊花賞でもその春の2強が実力通りに力を発揮したレベルの高いレースだったが、突如現れた新星ドゥレッツァの力がその2頭を更に上まっていたということだろう。
そしてソールオリエンスの父キタサンブラック、タスティエーラの父サトノクラウン、ドゥレッツァの父ドゥラメンテは、いずれも2015年クラシックの同世代。父たちも何というレベルの高い世代だろうか。
奇しくも現在放映中のアニメ『ウマ娘プリティーダービーSeason3』はこの世代を描いているというのも絶妙のタイミングだ。
久しぶりに「三強世代」と呼べる役者が揃った。
今後もこの三強がしのぎを削るライバル関係になるのが楽しみだ。

『らんまん』終わる

朝ドラ『らんまん』が最終回を迎えた。
開始前はさほど期待もしていなかったが、始まってみればその作りの細やかさと面白さにたちまち毎回楽しみに観るようになった。

特によかったのが脇役陣のそれぞれのストーリーをしっかり丁寧に描いたことだろう。
昨今の朝ドラの脇役陣は得てしてヒロインのために都合よく動くコマとしての役割でしかないことが多かったが、このドラマではそのそれぞれのストーリーが最終盤でしっかり収束して満足できる感動的な最終回を演出してくれた。

そして主人公神木隆之介浜辺美波の安定感のある演技も本当に素晴らしかった。
特に浜辺美波は今まで個人的にあまり好きではなかったが、これほど素晴らしい魅力的な女優に成長していたとは驚いた。大変お見それいたしました。

思い返してみれば、東京制作の朝ドラで最終回まで中だるみすることなくここまで面白かったのは10年前の『あまちゃん』以来のような気がする。
今クールは奇しくもその『あまちゃん』の再放送と重なって毎日とても楽しい朝を迎えることができた。

そして次に控えるのは笠置シヅ子を描いた『ブギウギ』。
このスッコーンと森羅万象をぶち抜くようなポスターを見るだけでもう始まる前から間違いなく面白いのがビンビンに伝わってくる。
また半年間楽しませてくれることを期待している。

 

 

『最高の教師』

ドラマ『最高の教師』が遂に終わった。
が、正直第6話がピークでそこから先はその余韻だけでどうにか興味を繋いだ感じ。しかし芦田愛菜退場の6話までは紛れもない傑作だった。
教師役松岡茉優をはじめ、若い生徒役の熱演に毎回心打たれた。
中でも特にやはり芦田愛菜の演技は圧巻としか言いようがなかった。
こんなに心打たれて胸を掻きむしられるようなドラマは自分にとっては13年前の『Mother』以来だが、考えてみたらその時もわずか5歳の芦田愛菜の演技に打たれたわけで、13年越しに芦田愛菜にやられてしまった格好。やはり恐るべき女優だ。
その他気になった所は、セリフでの言葉の使い方に度々違和感が残ったのと、主人公九条の親友パートと職員室での校長不在エピソードは意味不明で要らなかったかな。
しかしそれを補って余りある若い役者たちの熱演は毎回見事だった。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 バートン・マルキール

つみたてNISAをきっかけに2年前から投資を始めた。
色々調べていく中で、その界隈で必読のバイブルとされているのがこの本。
初版は50年前だが、その後もその普遍的な内容から現在に至るまで版を重ね続けている。

内容は、これまでの株式投資の歴史とエピソードを紹介しながら、どんな投資のプロの動きよりもインデックス投資がいかに優っているかを実証するもの。
なるほど確かにその通りなのはわかるが、如何せん経済や金融や株式に全くと言っていいほど興味のなかった(そして今も!)自分にとっては歴史上のエピソードなどは正直退屈極まりなかった。
これを読んだら興味が出てくるのかもと期待したが別段そんなこともなく、後半はほとんど流し読みになってしまった。

しかしそんな自分のような投資のど素人にとってこそ、妙に深入りして相場を読もうとしたり個別株をこまめに売り買いしたりすることは大きな誤りで、何が起ころうと泰然自若と機械的にひたすらインデックス投資を積み立て続けることこそが投資の至上の大正解であることを証明できるだけでもこの本を読む価値はあったのかもしれない。

リトグリ甲府

9月3日「Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”」⼭梨YCC県⺠ホール公演に行ってきた。

最後にリトグリを観たのは2019年の代々木以来なので実に4年ぶり。
その間コロナ禍があり、リトグリ自身もどんよりとした停滞感の中メンバーの脱退が相次ぎ、自分もすっかり以前のようにわざわざ遠征してまでライブに行こうという気力も萎えてしまっていた。

しかし昨年新メンバーが加入し、いきなり優れた楽曲を連発し、すっかりフレッシュなイメージに一新した姿をメディアで見かけるようになり、今回のツアーでは久しぶりに山梨に来てくれるということでこれは是非観たい!と思った。

そして4年ぶりに再会したリトグリは、期待通りのライブを魅せてくれた。
何より新たに加わったミカ、結海、miyouの3人のフレッシュさは素晴らしく、数年前からリトグリを覆い尽くしていた何とも言えないどんよりした重苦しい悲壮感は綺麗さっぱり消え去り、ポジティブで溌剌としたグループに見事に変貌していた。

ハーモニーの完成度はまだまだ5人の時代には及ばない部分もあるが、それを補って余りあるポジティブなパワーは凄まじい。
何はともあれ新メンバーが入ってまだ1年にも満たないのに、ここまでのレベルのパフォーマンスを作り上げたのはただただ驚嘆に値する。

個人的に特に目についたのが結海。
加入当初はいきなり即戦力を発揮して驚かせてくれたミカとmiyouに対して、力を発揮するにはやや時間を要するかな?という感じだったのが、それからたったの数カ月で驚くべき進化を遂げていた。
まずとにかく姿勢が良くて手足が長く、ダンスもメリハリのある動きをするのでそれだけで非常にステージ映えする。

更には自身にとって最も声のよく響く音域と発声法を会得したようで、曲中でそのパートが出てくると一瞬で耳を奪われる。
これは非常に強力な武器になるので、今後はオールラウンダーを目指すよりもこの部分に更に磨きをかけて伸ばしてほしい。

かれん、MAYU、アサヒの古参メンバー3人も、そんな3人を温かくも頼もしく見つめ、安心して歌っているように見えた。

ただ少しみんなややお疲れ気味に見えたのはそれまでにリリイベなどが立て続いたせいだろうか?
ライブと比べてリリイベは精神的に消耗するだろうから本当に大変だと思うが、みんなそんなそぶりを一切見せず笑顔でよくやっていると思う。
特に新メンバーは慣れないことばかりで何かと消耗も激しいと思う。
どうか今後は脱落者の出ないように十分にフォローしてあげてほしい。

まだまだ伸び代しか見えない新生リトグリ
あとはいい楽曲に恵まれてほしい。
これからにますます注目していきたい。

バリウム飲んで消化不良

先月から始まった体調不良から1ヶ月が経過し、今ではすっかり戻ったので、自分のために経過を記録しておく。

全ての始まりは7月21日の定期健康診断。
ここで胃のレントゲン撮影のためにバリウムを飲んだことから始まった。
自分はどうもバリウムとは相性が悪いようで、毎年バリウムを飲んだ後に決まって数日間消化不良に陥るが、それが今年は特にひどかった。

普通の人は1日で排出されるようだが、もともと消化の遅い自分は貰った下剤だけでは排出し切らず、全部出切るまでに数日を要する。
そうこうしている間に消化不良に陥り、腹には目に見えてガスが溜まり膨満感甚だしく、しまいには後ろから前から、じゃなかった、上から下から大噴射大会が始まってしまった。

こうなってしまうともう胃も腸も消化することを止めてしまい、何を食べても受け付けず、水を飲んでも吸収されずそのまま出てきてしまうので、寝ている間も油断していると粗相してしまう有様。

たまりかねて医者に診てもらうと、腹に聴診器を当てた瞬間に「全く動いてないですね」。
「とにかく腸に動いてもらいましょう」ということで腸を働かせる薬を出してもらう。
腹巻きなどで温めて、マッサージをしたりジャンプしたりするのも有効だそうだ。
ついでにその時点で丸5日間何も食べていなかったので大事をとって点滴も打ってもらう。
とはいえ人間たぶん10日間くらいは何も食べなくても大丈夫なんだろうな、というのは何となくわかった。

ただ薬を貰った以上は何か食べなければいけないので、その時からお世話になったのがゼリーや豆腐や茶碗蒸しなどの半固形物。
特にスーパーで普通に売っている茶碗蒸しの意外な美味しさは新発見で、数日間はこれが主食となった。

ここまでの18日間の体重の推移はこんな感じ。
約-4kg減。

そんな生活をしばらく続け、ようやく胃腸が働き始めてくれたことを実感してからは、腹6分目くらいを心がけるようにしている。
それを超えると途端に膨満感に悩まされるようになる。
まあこれは今に始まったことではなく、今までも食べすぎると多かれ少なかれこんな感じになっていて、月に1〜2度は断食をして調整していた。
そんなわけでもう何年も前から量が多すぎて食べきれないので外食もほとんどすることは無くなってしまった。
更に若い頃から1日2食なので、おそらく1日に食べる量は普通の人の半分以下かもしれない。
それでも自分にとってはこれくらいが一番快調に過ごせるので全く問題ない。

3週間経過して普通に食べられるようになってから今はすっかり完治し、消化活動も快調にこなしてくれている。
体重は10年前くらいの一番太っていた頃よりも約-8kgくらいで落ち着いているので、たぶんこれくらいが自分の最も健康的なベスト体重なのかもしれない。

毎年健康診断に行って体調不良になるというのも皮肉な話だが、こうなることはわかっているので来年以降は事前に医者で薬を貰っておくなど、何か対策を考えたい。